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海外に住んでいる知人から、「産経の古森義久氏が米公共放送PBSで放送している、ニューズ・ウィークのコラムニストのファイード・ザカリアがホストを務める「フォーリン・エクスチャンジ」という番組に出演していた」というメールが来ました。
ザカリアの番組サイトで一部始終が今のところ配信されているようです。週がまたがれば動画は消えるでしょうが、その代わりにトランスクリプトが付くようになっているようです。
番組冒頭で、北朝鮮の核実験に続いて日本国内でわき起こった「核武装論議」(アメリカの新聞が火を付けたという説もありますが)について、古森氏がコメント。日本の政府の立場を解説と言うよりは、古森氏の考えということで話しているようです。
その主張は、安倍氏が首相になってから言っていることというか、今までの政府の公式見解と非常に似ているものでした。全部が聞き取れたわけではありませんが、大意は次の通り。外務省の役人の解説を聞いているかのようでした。(トランスクリプトがでたらリンクをつけます)
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*安倍政権になって安全保障上の穴を埋める努力がなされているが、これは何もナショナリズムの復活と決めつけるべきではない
*なぜなら日本には憲法9条があって、自衛権と国際協力活動に関しては縛りが掛かっているからだ。
*核武装の論議については、それを日本の核武装を賛成する議論として取られるようであればそれは間違いである。日本における主要な立場にある高官はそのような主張をしたことがない。憲法上の制約があるし、日本国民の唯一の被爆国であるという感情を考えれば大多数は反核である。
*日本人は北朝鮮については予測不可能で無責任な政権であると考えている。ミサイル・核問題を抜きにしても、拉致の問題がある。それが日本人の大きな関心を占めている。
*中国と安倍政権の関係で言えば、胡錦涛と安倍首相が、北の核実験の報をうけて会談しているというのは非常に皮肉な事態である。一時的に関係は改善された。
*ブッシュ外交については、イラク問題での失策が報道されているが、日本の反米感情は高まっていない。東アジアの問題の取り扱いについては日本人は好意的である。ネガティブなイメージが持たれているのはアメリカの報道機関の報道に問題がある。
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私の率直な印象ですが、これは報道記者の領分を超えた、ある種の「政権のPR活動」ではないかと思います。日本での彼のコメンタリーと話している内容が違うのも驚きですが、解説が第三者的な感じではなく、政府の広報官みたいなノリになっているというのもどうかと思います。
報道記者というのは自分の考えはともかくとして、対立する意見を公平に伝えるのが一応仕事と言うことになっていますが、日本でけっこうな数の「反米本」が出版されていることを考えれば、古森さんの言っているのはちょっと違和感を感じます。これは報道解説と言うよりは「戦略的広報」でしょう。古森さんは、リベラル派に厳しく、保守派に甘いと言う点で一種の“確信犯”のような人ですから、言っても詮無いことでしょうが、これで自分が「安倍の顧問」と言われたりすると紙面上(10月21日付緯度経度)で逆ギレするのですから、世話はないです。
なんだか某宗教団体の新聞を読まされているような気にもなります。
考えるに、古森さんの海外メディアへの出演は、日本の意向というよりは、アメリカのジャパン・ハンドラーズの意向を受けて、アメリカ国民や指導層に日本の広報活動をやっているということかもしれません。産経紙面では、デヴィッド・フラムの「核武装賛成論」を肯定的に報道しているのに、海外では、政府の公式見解を超えない解説をやっている。アメリカの方で、「日本のナショナリズムを少し押さえておいた方がいいだろう」という当局者の判断が働いたのかもしれませんね。
実際のところ、産経を休職して、安倍政権の世耕チームにでも入ればいいのではないでしょうか?
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